Fusion

MT_GlitchToolsでグリッチ表現に味付けしよう!【Reactor】

グリッチを作成するときに使えるエフェクトがなんと19個も!含まれているMT_GlitchToolsがなかなか面白く使えそうだと思いましたのでご紹介いたします。

MT_GlitchToolsはパッケージマネージャーのReactorからインストールすることができます。

色収差やブロックノイズをMT_GlitchToolsで味付けすると、こんな感じのグリッチエフェクトを作ることができます!

グリッチエフェクトの作成方法は色々な方が実現方法を紹介していますが、本記事が参考の一つになれば幸いです。

ノード構成全体としては次のとおりで、特にグリッチ素材などを用意する必要はありません。

Settingファイルはこちらからダウンロードいただけますので、遊んでみたいなという方は自由に使ってみてください^^

※画像を読み込むためのLoaderノードは、いったん削除して適当な画像ファイルに置き換えていただくとよいです。Mediainノードにしていただいても問題ありません。

そもそもReactorって何?という方やReactorのインストール方法を知りたい方は以下の記事で解説していますので、こちらもぜひご参照ください。

それではさっそく作っていきましょう!

このプロジェクトは以下の設定で作成しています。

  • 解像度:1920 x 1080 HD
  • フレームレート:24フレーム/秒

作成した時のPC環境は次のとおりです。

  • PC:DAIV Z7
  • CPU:Intel(R) Core(TM) i7-10700 CPU @ 2.90GHz
  • GPU:NVIDIA GeForce RTX 2060 SUPER / 8GB
  • メモリ:16GB

グリッチエフェクトを作成する

ベースのグリッチエフェクトを作成する

まずはベースとなる、画像が乱れるグリッチを作成します。

この部分はMT_GlitchToolsではなくDavinci resolve/Fusion 固有の機能だけで実現できます。

作り方は次のとおりです。

  1. FastNoiseで下地を作る(設定値と出力は↓のとおり)
  2. ブラー(モザイク)でカクカクにする
  3. TransformでCenterにModifiers(Perturb)を適用し動きをつけて、サイズを微調整する
    ※Edgesはデフォルトの「Canvas」→「Wrap」に変更


    Perturbの設定はこんな感じです

上記と同じ感じでちょっと形を変えてもう一つ作成、Mergeします。

  1. FastNoiseで下地を作る
  2. ブラー(モザイク)でカクカクにする
  3. TransformでCenterにModifiers(Perturb)を適用し動きをつけて、サイズを微調整する
    ここでは、先ほどよりも細長く変形させています


    Perturbの設定はこんな感じです

上記2つの出力をMergeさせて、BrightnessContrastでコントラストを調整します。

MergeではApply Mode「Normal」、Operator「XOr」に設定します。そうすると、次のようなエフェクトができあがります。

これと元画像をDisplaceノードを使用して合成し、グリッチっぽい感じに仕上げていきます。

ツールを使わなくてもこれだけで十分グリッチ感でてますね^^

Displaceノードの設定とポイントは次のとおりです。

  • Typeは「XY」に設定
  • グリッチのずれ具合は「X Refraction」「Y Refraction」で設定でき、徐々に収まるようにしたかったのでキーフレームを設定

※上記のグリッチ作成方法は、こちらのYouTubeを参考にさせていただきました。

MT_GlitchToolsを使ってエフェクトを追加する

それでは、先ほどの工程で作成したグリッチにMT_GlitchToolsを使用していい感じのエフェクトを追加してみましょう!

ここでは3つのツールを使用してアレンジしていきます。

MT_Glitch_Barsでチラつき感を追加する

まずはじめに、MT_Glitch_Barsでチラつき感を足していきます。

図のとおりノード構成全体の前半部分にあたります。

使い方としてはシンプルでインプットとなる画像をノードに接続するだけなのですが、画像全体にエフェクトが適用されてしまうので適用範囲をマスクするためにMergeノードにEllipseノードを接続して調節しています。

MT_GlitchBarsを適用するとこちらの図のように横線が追加されるとともに、うっすらと元画像が二重に表示されます。

線の細かさは「Frequency」で、画像のダブり感は「Smear X」「Smear Y」のパラメータで調整可能です。

「走査線」ツールと似ていますが、画像のダブり感を表現できるところがこのツールの特徴です。

MT_Glitch_ChromaticAberrationで色収差を追加する

つづいて、MT_Glitch_ChromaticAberrationで色収差を追加してグリッチ感を底上げしていきましょう。

ノード構成としてはDisplaceでグリッチを作成した直後に接続している部分です。

ノードに接続するだけで使えるシンプルなツールです^^

MT_Glitch_ChromaticAberrationを適用するとこちらの図のように画像の「赤」「緑」「青」成分がそれぞれずれていい感じになります。

それぞれのずれ具合は、「Red Offset」「Green Offset」「Blue Offset」パラメータで調節できますので好みの値に設定してみてください。

色収差はデフォルトで用意されているテンプレート「Chromatic Aberration」でも実現できますが、こちらの方が色ごとの設定ができ、色味がはっきりしているといった違いがあるように思います。

MT_Glitch_RamdomBlocksでブロックノイズ感を追加する

さいごに、MT_Glitch_RamdomBlocksを使ってブロックノイズ感を足していきます。ノード構成でいうと一番最後の部分です。

こちらもかなりシンプルなツールで、インプットをつなげるだけで図のようにブロックノイズっぽいものが追加されます。

今回変更した設定として、CompositeメニューのApply Modeを「Screen」、Operatorを「In」に変更して、「Red」要素のチェックを外しています。

ここまでできれば最終イメージに近づくようキーフレームを設定してあげたり、微調整すれば完成です!

結構簡単にグリッチ感を増すことができるので、ぜひ使ってみてください!

MT_GlitchToolsの紹介

今回はMT_GlitchToolsに含まれている3つのツールを使用しましたが、全部で19個のツールが含まれていますのでそれぞれどのようなツールなのかをご紹介します。

気になるツールはぜひ使ってみてください!

1. MT_Glitch_Bars

MT_Glitch_Barsを使うと、画像に横線を追加したり画像をうっすら二重に表示することでチラつき感を表現することができます。

線の細かさは「Frequency」、角度は「Angle」、画像のずれ具合は「Smear X/Y」で設定可能です。

2. MT_Glitch_BlockPause

MT_Glitch_BlockPauseを使うと、動画の一部分の残像を表示してストリーミングエラーっぽい感じを表現することができます。

各設定を操作することで残像をどれぐらい表示するか、ブロックの大きさなどを調整することができます。

3. MT_Glitch_ChromaSubsample

MT_Glitch_ChromaSubsampleについてはうまく説明できないのですが、動画に対してクロマ・サブサンプリングを行うツールのようです。

(クロマ・サブサンプリングについてはWikipediaなどで調べてみてください。すみません^^;)

4. MT_Glitch_ChromaticAberration

MT_Glitch_ChromaticAberrationを使うと、色収差を表現することができます。

「Red Offset」「Green Offset」「Blue Offset」パラメータで赤・緑・青のバランスを調整できます。

5. MT_Glitch_ColorFlicker

MT_Glitch_ColorFlickerを使うと、カラーフリッカーのようなチラチラ感を表現することができます。

仕組みとしてはとてもシンプルで、四角が表示されて時間とともに色相・彩度・明度・位置を変化させることでフリッカーを表現します。

以下4つのチェックボックスにチェックをつけることで各フリッカーを追加することができます。

  • Hue Flicker:時間とともに色相が変化
  • Saturation Flicker:時間とともに彩度が変化
  • Lightness Flicker:時間とともに明るさが変化
  • Position Flicker:時間とともに四角の位置を移動が変化

6. MT_Glitch_ColorNoise

MT_Glitch_ColorNoiseを使うと、図のような感じでカラーノイズを表現することができます。

図の例は極端な感じになっていますが、面白い効果をつけることができそうです。

7. MT_Glitch_EdgeStretch

MT_Glitch_EdgeStretchを使うと、エッジを伸ばすことができます。

8. MT_Glitch_FractalStatic

MT_Glitch_FractalStaticを使うと、図のようなノイズ感を表現することができます。

時間とともにこのノイズがチラチラ動きます。

9. MT_Glitch_GroundLoop

MT_Glitch_GroundLoopを使うと、波打つような効果をつけることができます。

10. MT_Glitch_HumBar

MT_Glitch_HumBarを使うと、図のような白い帯のノイズが下から上にループして表示されるエフェクトを追加することができます。

11. MT_Glitch_Mosaic

MT_Glitch_Mosaicを使うと、モザイク化することができます。

標準のツールに「ブラー(モザイク)」というモザイクツールもありますが、それと比べるとMT_Glitch_Mosaicのほうが色合いがはっきりするような気がします。

12. MT_Glitch_PixelDance

MT_Glitch_PixelDanceを使うと、時間とともにランダムにピクセルサイズが変化するような見た目を得ることができます。

13. MT_Glitch_Posterize

MT_Glitch_Posterizeを使うと、動画や画像をスタリゼーション(階調変化)することができます。

14. MT_Glitch_RandomBlocks

MT_Glitch_RandomBlocksを使うと、時間とともに変化するランダムなブロックを表示させることができます。

ブロックの色を変えたい場合は「Red」「Green」「Blue」の組み合わせで変更してみてください。

15. MT_Glitch_RFInterference

MT_Glitch_RFInterferenceを使うと、干渉した時に表示されるようなノイズ(線)を表現できます。

16. MT_Glitch_RollAndSlide

MT_Glitch_RollAndSlideを使うと、下から上にロールアップするようなエフェクトを加えることができます。

フィルムで投影する昔の映画っぽい表現を作りたい場合に使えそうな気がします。

ロールアップする速度を変更する場合は「Roll Period」の値を調節します。

17. MT_Glitch_TimeStutter

MT_Glitch_TimeStutterを使うと、特定のクリップをシャッフルして図のようにランダムに表示させることができます。

18. MT_Glitch_VHSStrip

MT_Glitch_VHSStripを使うと、VHS(ビデオテープ)を再生した時に表示されるようなノイズを表現できます。

「Glitch_Position」パラメータのY軸の設定で上下に動かすとそれっぽくなりそうです。

19. MT_Glitch_Waves

MT_Glitch_Wavesはインプットもアウトプットもなく、いろいろな波を表現するためのExpressionの詰め合わせパックのようなツールです。

sin波やバウンドするようなBounce Waveなど、Expressionの勉強にも役立ちますのでぜひ遊んでみてください!

Transformノードなど別のツールからMT_Glitch_Waves内の値に直接Expressionを指定して利用する場合は問題ないですが、記述されているExpressionをそのまま別のノードにコピペしてもうまく動かないのでご注意ください。

記述内容をコピペして使いたい場合は、MT_Glitch_Wavesツール内で定義されている3つの変数を次のように書き換えてください。

  • Minimum → MT_Glitch_Waves.Min
  • Maximum → MT_Glitch_Waves.Max
  • Period → MT_Glitch_Waves.Period

さいごに

ちょっといじってみようかな~と軽い気持ちで触っていたら、19個も機能があって驚きました!

それぞれグリッチを作成する場合やそれ以外のシチュエーションでも使えそうなエフェクトだと思いますので、気軽に試してみていただければと思います。

最後に紹介したMT_Glitch_Wavesは、グリッチ以外でもExpressionによる動きをつけたいときの参考として活用できそうな気がします^^

以上です!